14

 ドアは開けっぱなしで、ランプが点いた薄暗い個室。ワゴンを押すマリアンは足音を抑えゆっくりと部屋に入り、膨らみのあるベッドに近寄る。


「ん……?」


 布団が小さく動き、少年は上半身を起こした。ベッドの傍にソーディアンは立て掛けてある。


「エミリオ……やっぱり寝てなかった……眠れなかったのね? ドアを開けていたのも……」

「……マリアン……」


 その眼には揺るぎ無い信念と、1人の少年の弱さがあった。


「その……覚えてるか? 昔、彼女が倒れた時の事……」

「ええ……フィンレイ様との訓練中だったわね」

「ん……あの後に、多分僕は彼女を好きになったんだ……」


 触れた自分の手首にあるブレスレット、彼女との繋がりは確かにあったと己に確かめる。

 その表情は嬉しそうでもあり、やはり哀しくもあった。


「……僕はアイツ等に助けられて……彼女に助けられて……だから、今度は……」


 言葉にした想いはきっと、


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bkm

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