それで終わればどんなに良かったか、そう思うのは仕方のない事。
「……アタシとリオンが姉弟だって、知ってたの?」
「彼は何も言いませんでしたが、薄々は」
「そ……」
漏れる溜息、視線はテーブルの紅茶に落とされる。
そして自分に言い聞かせる様に呟いた。
「アタシは孤児院に家族が居るから、リオンがどう思おうか知らないわ……でも、あのミクトランだけはとにかくムカつくのよ……絶対ぶっ飛ばしてやるわ、今までの愚行を後悔するくらいにね」
やはり姉弟だと思うのはマリアンだけではなかった。
マリーは彼女の言葉に賛同する。
「ルーティなら大丈夫だ、スタン達も居るからな」
「そうね、頼りにしてるわよ?」
「え? ……おうっ」
彼女らしくない素直な言葉に少し驚いたらしいスタンだが、すぐに力強く頷いた。それを見てマリアンの表情から影は薄れる。
「ルーティさんも、仲間を心から信頼してるんですね」
「空気は読める女よ、アタシは」
信じているからこそ、不安と希望を抱いて笑っている。
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bkm
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