アトワイトからの返事は無い。ルーティの視線は、更に鋭くなる。
《あー……そうそう、セシルも良いと思ったんじゃが、アトワイトが言った通り戦い方が合わないのは致命的故――》
今度はリオンの視線が老剣に突き刺さる。
今の状況では、何を言っても墓穴を掘るだけだとクレメンテは悟った。
《まったく、昔と全然変わってないわ。シャルティエはビックリするくらい変わったのに》
「え? シャルティエって昔はどんなだったのよ」
《それは――》
《あーーー!! は、早く戻りましょう! ねっ、船の人達心配するし!》
過去の事を知られるのが嫌なのか、シャルティエは必要以上に声を上げる。
しかし長居するも確かに無く、一行は来た道を戻る為に出入口へ足を進めた。
「……まさか、な」
奥のコントロールパネルを見て呟いた後、セシルも部屋を後にする。
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bkm
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