微笑を浮かべるマリアンもソファーに座り、暫しスタンの眼を見つめた後話す。
「リオン様……いいえ、エミリオはよくスタンさんの話をしていました。その時の彼は、本当に楽しそうなんです」
「そう、なんですか……何か嬉しいな」
「はい……これまで同年代の友人は……彼女だけだったので、より一層スタンさんの存在が大きいのでしょう」
彼女が語る事を本人が言葉にすることは無いが、態度で理解出来る。それは信頼関係が築かれた証拠でもあるのだろう。
ルーティが問う。
「ちょっと思ってた事なんだけど、リオンってアンタを特別視してる様な気がするんのよね……」
「それは……そうですね……」
少し迷いを見せたマリアンだが、すぐに疑問へ答えを返す。
「私は、エミリオの亡くなった母親に似ているそうなんです……聞いた話だと母親に似ているから私は雇われたのだとか」
「ふーん……きっと、自分に注目されない様にとかそんなんでしょうね」
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bkm
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