迫る不安、長い時を共に過ごした剣はその不安に語り掛ける。
《彼等を……私達のマスターをみすみす死なせはしないわ。私達の過ちに貴女達を巻き込んでしまった事への償いもあるけれど、私達だってマスターを死なせたくはない……貴女達を地上へ返す、千年前よりもその思いは強いわよ、皆ね》
顔を見る事は叶わないが、彼女はきっと優しく微笑んでいるのだろう。だからルーティも微笑んだ。
模擬戦は変わらぬ勢いで続き、鍔迫り合いの中で2人は視線を交える。
「やっぱり強いな、リオンは……!」
「当然だ、生半可な気持ちで剣を握ってはいない……!」
ぶつかる信念は互いの実力を認め合い、更にそれをぶつけ合う。
鍔迫り合いを切り距離を空けた2人は一呼吸置いた後、真っ直ぐ駆けた。どちらも視線の先に居る“友”に向かい、握る刃を奮う。
「コレは決まるわね」
「みたいだな」
激しい音と共に模造剣が1本飛び、地面に落ちた。
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bkm
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