イクティノスが分析を述べた直後、模擬戦は始まった。
先に仕掛けたのはリオン。彼は真っ正面からスタンとの距離を詰め、模造剣の切っ先にで彼を狙う。
当然スタンは防ごうと模造剣を構えたが、予測していた衝撃が来ないどころか、リオンの姿が視界から消えた事に驚く。
「……上!?」
己の頭上を見上げると、彼が空中で身体を捻ると同時に剣を振り下ろした。非力という弱点を重力を乗せる事でカバーしたその攻撃、スタンは防御し衝撃を受け止める。
着地し、スタンの背後を取ったリオンはすかさず片手で下段から斬り上げようと前に体重を掛けた。その攻撃に気付いた上で普通ならば前に動き避ける、しかしスタンはそれをせず、後ろを確認する暇すら無い状態で振り向くと同時に剣を振り抜く。
背後を取った筈の剣は的確に弾かれ、危うく手を離しそうになる所を耐えたリオンはすぐに距離を取った。
「当てずっぽうとはいい度胸だな」
「俺も、よく当たったなってビックリしてる」
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bkm
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