「今は少なくても、俺を俺として見てくれる人は必ず居る……それからすら眼を逸らしていた俺は馬鹿者だな」
「そうだな」
「相変わらず手厳しい男だな……。まあ何だ、四捨五入で30になる男が何時までもグダグダしてるのもアレだとも思ったのも大きいがな……」
「それは一理あるな。いい大人が死んだ眼で将軍やってるなんぞ、国の恥もいい所だ」
歳上相手でも容赦無い言葉、アシュレイは苦笑いでそれを受け止める。
そして言った。
「兄の事は閣下から聞いた。出来るなら俺がミクトランを討ちたい所だが、そうはいかないからな……俺より若い奴等が命懸けてるのに、ウジウジとしてられるか」
「言い方がオッサンぽいな」
「お前俺の事嫌いなのか?」
「特にどうとも思っていないな、お前に世話になった事も無いし」
10代の少年に手痛い言葉をぶつけられる20代後半の男。打ち負けはしないという気概を彼は見せる為に笑っているが、何処かぎこちない。
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bkm
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