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 次期国王と謳われた兄、その存在は彼にとってどれだけ偉大で、どれだけ圧力となっているのか、リオンは少し理解している。

 だから敢えて彼は言った。


「お前はお前の実力で七将軍という地位を手に入れた筈なんだがな」

「なんだよなァ……ドライデン様にも散々言われたが……そこまで考える余裕は正直無かったんだよな。陰口は凄いし、陛下から養子の話は来るし……どうしても弟だとしか見られないんだよ」

「プレッシャーで身近の言葉が聞けず陰口ばかりが耳に入り、そのせいで調子が落ち込み実力が出せず責任感に苛まれ、責任感は重いプレッシャーとなり周りが見えなくなり……見事な悪循環だな」

「ホントその通りだ……何処かで断ち切らなければと思ってはいたが……結局それも独り善がりに過ぎなかったんだな。客観的に見ると、見苦しい以外の何物でもない」


 己を語る彼の表情には余裕が見える。客観的に自分を見られる余裕を得たのは間違いない様だ。


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bkm

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