「貴方が、私を此処へ呼んだのですね」

《その通りじゃ。そなたの力を望む直向きな想いをワシが感じ取り、同調したのじゃ。ワシはそなたに、戦う為の力を貸してやる事が出来る》


 ただ一人、戦う力を持たず責任感の強いフィリアは悩み、そして望んだ。

 目の前にある剣は優しく、威厳を持ち問う。


《フィリア・フィリス、そなたはワシと共に在る事を望むか?》

「――はい」


 剣の柄を両手で握り締め、彼女はそれを頭上に掲げ叫んだ。


「私に力をお貸しください、――クレメンテ!!」


 その力を奮う為の、マスターとソーディアンの契約。

 セシルは初めて見るその光景に、無意識に拳を作っていた。


《うむ、晶術の使い方はワシが手解きしよう。フィリアならばすぐに扱えるじゃろうて》

「はい、よろしくお願いします」


 手中にあるクレメンテに軽く頭を下げた後フィリアは、リオンに近寄り今度は深々と頭を下げる。



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