「コレが……レンズ砲か」
「そう、この短時間でよく此処まで作れたなって自分と皆を誉めたくなっちゃうよ。ただ、コレ作るのに木を幾つか倒さなきゃならなかったのが心が痛いかな。
かといってコレ以上の小型化は出力的に無理だし、城の外で作るとなるとそこに兵士を置いてもらわなきゃならないし、運搬も大変だしでやむを得なかったんだけど」
溜息を吐くレイノルズは呟く。
「機械組み立てるより、木々を育てる方が何倍も大変なんだよなって痛感したよ」
何気無い言葉だったが、科学と自然の違いを身に沁みた科学者の心境は重いのだろう。
しかし彼は明るく振る舞う。
「レンズも結構集まってきてるんだよね、これならそう待たずに発射は出来ると思う……」
説明の途中研究者の1人が報告する。
「レンズが届きました! ハーメンツのウォルト殿からです!」
「ウォルトって……どっかで聞いた事がある様な……」
思い出そうするスタンにルーティが深い溜息と共に教えた。
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bkm
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