軍人の理に敵った考え、将軍は軍人の表情のまま少年にそれを話す。
「その際に住人の移動は行わなければならないだろう、一般人が居れば調査ぬ支障を来す場合があるからな。彼等を追い出す様な真似をするのだ、新たな居住地は用意せねばなるまい……そうだな、リオン」
「……はい、あ、ありがとうございます」
「礼を言われる事ではない、国としての義務を果たすだけなのだからな」
「…………」
やはり一国の将である事は伊達ではない、リオンはつくづくそう思う。
だから彼等に出来ない事を成し遂げなければならない、そう己の心に刻む。
「トラッシュマウンテンに関してはこれからも話を続けるって事でOKだね。それじゃあちょっと裏庭に移動しようか、その為に集まってもらったんだ」
何処か自信が垣間見えるレイノルズに従い、皆は城の裏庭に移動する。
そこには緑が鮮やかな庭に全く似つかわない機械仕掛けの巨大砲台が、空に砲口を向け鎮座していた。
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