万全を期すならば当然の要望だろう。
それを聞いてリオンはドライデンに進言した。
「閣下、実は身勝手ながらこの度我々に協力してくれたカルバレイス人達への礼として、彼等の移住の手伝いをするという約束を交わしました。彼等の中には以前からあの地を離れたいと考えている者が多く、最低限水源を確保出来たらと……」
「ふむ……なるほどな、お前の考えは理解出来る。だが今すぐにとはいかん、国内でも問題は多々起きているからな。この戦いが終わった後もモンスターの調査や物資の輸送ルートの確立等を行わなければならない」
「はい……」
国としてもギリギリの状態だと理解している上での発言、リオンは撤回するつもりはないのか視線を逸らさない。
その意思を理解したドライデンは告げる。
「しかしトラッシュマウンテンの調査をしなければならないのは確かだ。お前達の身体の事もあるが、何よりあの地は世界で1番天上との繋がりが大きい場所だからな」
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