ルーティの足が止まり、リオンの足も止まる。
妙な沈黙をルーティが破った。
「ば……馬鹿じゃないのっ!? このアタシが、あんな寝坊助男が好きなわけ……あるわけないじゃないっ」
「だったら食い下がるな、まるでスタンと一緒に居たい様に聞こえるぞ」
「あ、アンタがそう聞こえただけでしょうよ。アタシは一言もスタンと一緒に居たいとか言ってないし、ていうかウチにはチビ達居るし……か、仮に、アタシがスタンの事好きだったとしても、迷惑しか掛けないと思うし……」
「強欲の魔女の看板に偽り有りだな」
呆れた様子のリオンにルーティは怒る――事無く、俯き少し肩を落とす。
「アタシだって、少しは他人の事考えるわよ……孤児院は何とかやっていけてるけど、アタシ絶対孤児院優先になるわ……」
「スタンなら寧ろ、その方がルーティらしいとか言うだろ」
「それは……そうだけど……、そうね……」
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bkm
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