「……アンタさァ、スタンってどう思う?」
予想外の質問に一瞬リオンは戸惑うが、答えるべきかと思い考えた。
「良い奴だが……正直心配にはなるな、兵士になりたいといって飛行竜に密航するくらいだ」
「あったわねそんな事、あん時のアイツのパニックぶりは何時思い出しても笑えるわ。
しっかし心配になるってのは同意ね。今はある程度しっかりしてきたけど、悪い女に引っ掛からないとも限らないしさ」
「……だが、田舎で羊飼いをするなら心配は要らないだろうな。スタンがあんな性格に育った要因は故郷の環境もあるだろうから」
「あー……そりゃそうだけど……実際田舎飛び出してるし、羊飼いをするとは限らないでしょ? もしかしたらまた田舎飛び出したりとかしそうじゃん?」
妙に食い下がってくる姉の真意を何となく弟は察する。その上で何を言うべきか悩み、結局思った事を言った。
「お前、スタンが好きなら本人に言ったらどうだ」
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bkm
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