「何の用だ?」
「フン……随分と荒らしたみたいだな」
「……それが何だ、お前達には宝の持ち腐れだろう」
相手の高圧的な態度にリオンは冷静に努める。
人間と人間が相対する重苦しい空気、変えたのはカルバレイス人の方だった。
「余所者も若者もこの地をよく分かっていないな、それだけ集められたのも運が良かったからだけの事」
それを言う傍に現れた男達が持っているのは、かなりの量のベルセリウム。
驚いている様子のリオンに彼は言う。
「わざわざ中に入らずとも集まる物は集まる、……コレを持ってさっさと出ていけ、余所者が彷徨くのは非常に腹立たしい」
「…………」
高圧的、だが彼等の手が汚れ、新しい傷がついているのに少年は気付く。彼等は天上人の末裔、だがやはり同じ人間だと思いながら指示を出しベルセリウムを受け取らせた。
黙っていられなくなったのかスタンが前に出る。
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bkm
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