しかし心境が分からないわくではなかったので、ルーティは彼の話に乗ることにした。
「集まってるといいけど……レンズの山……アタシ一度でいいから、レンズの海で泳いでみたいのよね」
「恐らくアザだらけになるだろうな」
「本気でやろうなんて思わないわよ。本命はお金の海よ、お金の海」
「…………」
コレは本気だとリオンは溜息を吐く事さえ忘れた。代わりにソーディアン達が呆れと失笑を漏らす。
妙な雰囲気にスタンが参加してきた。
「ルーティ泳ぐのか?」
「お金の海で泳ぎたいのよ」
「お金かー……あ、落ち葉の中でだったら泳いだ事あるな昔」
「あーアタシもそれやったわ、服汚れるけど案外楽しいのよね」
何故か楽しそうな会話を始めたスタンとルーティ。それはリオンには分からない話だったが、何となくそれが楽しいというのは理解出来た。
そしてスタンが唐突に話を振ってくる。
「リオンは海で泳いだ事あるか?」
「え、海は……無いな、水泳訓練は訓練場で出来るから」
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