「ああ、なるべく早く戻ってくるから」
セシルが微笑を浮かべ告げた後、フィリアを残し一行はソーディアンの案内の下、ラディスロウの奥へ向かう。
彼等を見送りフィリアは海竜の中に戻ろうとしたが、ふと足を止めた。
「……?」
ラディスロウの中は、水棲モンスターが彷徨いていた。
然程強くはないものの、無視して進むわけにもいかない。一行は確実に撃破していく。
「あーもうっ、このローパーうっざいわね! グネグネして気持ち悪いし!」
「ローパーのアレって何か、麺みたいだよなァ」
「うん、私も同じ事を思っていた」
「し、食用には、向かないかな……」
「くだらん……」
多少おかしな事もあったが、一行は無事にラディスロウの深部に到着した。
《しかし、何でつるはしが、しかも一本だけ置いてあったんだろう、機材以外の物資は運び出した筈なのに。おかげでドアを抉じ開けられたけれど》
《我が思うに、ハロルドだろうな……》
《奇遇ね、私も同じ事を考えていたわ》
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