「流石に、男だらけの中に女1人というのはな……ならいっそスタンと一緒の方が気兼ねせず済むだろう。僕よりスタンの方が協調性はあるからな」
「そこは自覚あるのね……で、でも、何気に考えてんのね、アンタ」
女扱いされたからなのか気恥ずかしくなったルーティ――だが、すぐに気づく。
「まさかと思うけど、単にやかましいスタンと組むのが嫌だからとかじゃないわよね……?」
「…………」
「此方見なさいよ」
結局彼は姉を見なかった。
皆防毒マスクをつけた所でリオンは告げる。
「先ずは僕達から行くぞ、取り敢えずの目安は30分といった所か……中でモンスターに遭遇する様な危険性はあるか?」
「モンスターは滅多に出ない筈だが……奥だとどうかな……」
心配そうに青年は答えるが、リオンは鼻で笑ってみせた。
「モンスターが出るという事はそれだけ手付かずだという事、寧ろ好都合かもしれんぞ」
その言葉にソーディアンマスターも軍人もカルバレイス人も頷く。
少年はほくそ笑み、先陣を切った。
「さあ、とっとと済ませるぞ」
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bkm
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