「確かにカルバレイス人は外国を恨んでいて、俺もあまり良く思ってない。だがこのままでは悪い方向に進む一方だと思った。そう思い始めたキッカケは、昔……俺がまだ大人と同じ考えだった子供の頃、さっきアンタが言ったバルックという奴が来たからだ」


 今度はリオンが驚く番だった。


「バルックという奴は言っていた、“恨むだけでは何も生まれない、未来を考えろとまでは言わない、ただ少なくとも過去に縛られるより、今を見る方が大事である筈だ”と。当時は誰も耳を貸さず、無理矢理追い出したのを覚えている。
 だがバルックは何度もやって来た。理想論を掲げては追い出されるのが続いた。だがその中で、考えが変わる奴が若い奴を中心にして現れて……空がこうなるまでは、小規模ではあるが対立が起きていたんだ。余所者の力を借りるのを良しとしない派と、余所者の力を借りてこの地から離れる派と……」

「離れたい奴だけ離れればよかったんじゃないのか?」


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bkm

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