「僕が証明する以上の証明があるか?」
「いや……そう、だが……」
戸惑う青年が持つボウルを受け取ったリオンはスタンに渡し薬を皆に配らせる。
薬を飲みルーティは呆れた。
「アンタも無茶するわね、アタシ達を薬でどうこうして身ぐるみ剥がして……って可能性の読みだったんでしょうに」
「スタンが警戒しないなら問題無いんだろうと思ってな、一応カンは働く男だ」
「最初に会った頃のアンタに会わせてやりたいわ……。ていうかそれなら、スタンに飲ませりゃ良かったんじゃない?」
「……そうか、そういう手もあったな、僕とした事がうっかりしていた」
喉の痛みは無く、確かに呼吸が楽になった様に感じる。この地に長く住んでいるからこその知恵、リオンは感心し青年に言った。
「で、何故コレを僕達に」
「……そうだな……誤解、されたくなかった、のかもしれない」
俯きながら彼は語る。
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bkm
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