セインガルド王国客員剣士であるリオン・マグナスとセシル・オルグレンは、穏やかな気候の下小隊を率いハーメンツに到着した。

 宿の前にはかなりの数の王国兵が倒れており、その中心には三人の人間。長い金髪の青年、短い黒髪の女性、褐色肌の女性。

 その内の金髪と黒髪が持つ剣には、リオンが所持する意思を持つ剣“ソーディアン・シャルティエ”のコアクリスタルに似た物が埋め込まれている。


「コレは……派手にやられたね」

「たった三人相手に何て様だ」


 盗掘者であろう三人にリオンが歩み寄り、その後ろをセシルが追う。

 シャルティエと短剣を抜き少年は名乗る。


「セインガルド王国客員剣士リオン・マグナスだ」

「同じく王国客員剣士セシル・オルグレン。村のド真ん中で暴れるなんて度胸あるね君た……」

《シャルティエじゃないか!》
《シャルティエじゃないの!》

《あー……》


 ソーディアン特有の頭に響く声がした。それはシャルティエではなく、別の男女の声。



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