「謙也、ナマエどこにおるか知っとるか?」
「部室におるんちゃうん?どないしたん」
「ボールの予備を探してもろてたんやけど、遅いなぁ思うて」
「あーそういや予備も少ななってきとるし、探さな見つからんかもな」
「やっぱり新しいの買うた方がええか。おーい、小春ー」
「なーに、蔵リーン」
「白石!空気読めやせっかく二人で愛を語っ」
「いやいやいやいやいやいやいやいや!!」
「ん?なんや?」
「ナマエや。あぁほら、部室から出て来よったで」
「ナマエまでKYかコラ…!」
「あかんあかんあかんあかんあかんあかんあかん」
「なんやアイツ。おぉ、走ってきた」
「無理無理無理無理無理無理無理嫌や嫌や嫌や嫌や嫌白石ぃ!!」
「いった!何で叩くねん」
「あかんてお前アホかお前あんなんお前あかんあかんあかんほんま無理キモイありえへん!」
「いや落ち着けや、何があったん」
「どないしたんナマエー?」
「なんかあったとー?」
「半泣きやないかナマエはん」
「銀んんんんんんん」
「いや落ち着け」
「アホ小石!お前小石アホコラボケェキモイっちゅーねんありえへんっちゅーねん無理やっちゅーねん!」
「小石になんちゅーこと言うんやお前は」
「ナマエ!白石の毒手が出る前に謝った方がええで!早よう!」
「金ちゃん…」
「先輩そのパニクり方不快なんでやめてくませんか」
「アホかお前らそんなんお前らあああ!」
「ええからほんま落ち着け、パニクっとるのしか分からん」
「謙也ぁ!お前ぇ!」
「八つ当たりか!」
「じじじじじGが出たんや!」
「じぃ?」
「ゴキブリのことばい、金ちゃん」
「その名を口にしたらあかん千歳!Gあるいは名前を呼んではいけないあの虫と呼びぃ!」
「長か」
「ほなまっくろくろすけでもええわ!」
「いや、あれは真っ黒言うより茶色やろ」
「ビジュアルを思い出させるようなことを言うなユウジ!死刑!」
「俺の命は小春のものや!」
「ほなユウくん死刑ね」
「小春!?」
「まぁつまり、Gが出たんやな?」
「何でそないに落ち着いとるんや白石アホか!」
「そんなGぐらいでビビらんわ、男の子やもん。なぁ?」
「せやな」
「ワイ潰すの得意やで!」
「九州じゃよう出よったし」
「あたし九州絶対行かへん!」
「俺行ってみたいで」
「温泉とか有名やんな?」
「熊本なら牧場とかあるばい」
「ええなー牛さん!」
「話がそれとるで」
「せやナイスや小石!とにかくおったんやGが!ロッカーの上のきったない段ボールあるやん?その段ボール動かしたら、そっその裏に…!」
「ゴキブリがおったんですね?」
「いやあああああああ!!」
「光、Gか名前を呼んではいけないあの虫って呼んでやり」
「名前を呼んではいけないゴキブリ」
「光もういややああああああああ!!」
「は?やかましい」
「お前のせいやろ」
「ほな討伐に行こか」
「お、クエストやな!浪速のスピードスターに任せろっちゅー話や!」
「えー!ワイがやりたいー!ゴキブリ潰したいわー!」
「悪魔の子や…!」
「金ちゃん、ナマエがダメージ受けるけん」
「あ、せや、じぃや!」
「謙也と金ちゃんはあかん、周りが見えへんくなっていろいろ壊しそうやからな」
「えー!」
「おい光!あんたが行け!罰や!」
「別にええですけど。ほなナマエさん上靴貸してください、それで潰すんで」
「うわああああああ!!」
「ナマエ、俺のジャージ引っ張らんといてくれるか、伸びる…」
「小石はナマエの世話やし、銀さんは殺生したないやろ?」
「俺が行くばい。ロッカーの上やったら俺の方が都合よかろうもん」
「あぁ、千歳なら安心や。ほな頼むな」
「千歳!部室ん中で殺さんといて!あいつらの体液につられて他の虫がやってくるてなんかで聞いたことあんねん!」
「外に逃がせばいいと?」
「ほなそれをワイが潰す!」
「りょーかい」
「頑張れよー」
「クエスト成功したらお前のハンターランクは5や!」
「モンハンか」
「ああああほんまあかん、思い出すだけで鳥肌やわ!小春ちゃん、バルサン買おうやバルサン!奴ら一匹おったら三十匹おると思わなあかんで!」
「あ、せや小春、新しいボール買いたいんやけど」
「ほなあたしバルサン自腹で買うてくる!」
「必死やな…」
「バルサンくらい買える部費はあるから大丈夫よ、日頃から節約しとるし」
「小春ちゃんんんんん」
「小春に触るな!」
「何やねんユウジお前小春ちゃんのためにGを自ら倒しにいくという男気くらい見せんかい!ほんまはG苦手なんとちゃうか!?」
「んなわけあるか!そんなん言うたら白石かて自分で行く言わへんやったろうが!」
「せや!お前所詮はボンボンか、医者の息子でさえ倒しにいく言うたのに!」
「白石はG平気やろ、カブトムシ飼うとるし」
「カブリエルをGと一緒にせんといてくれるか?」
「庇ったのに…謙也可哀想や…」
「えっ、なんで急にそんな感じになるん!?」
「落ち込まんときや謙也ー」
「金ちゃんまで!」
「お、部室開いた」
「金ちゃーん、行ったばいー」
「おぉ!」
「ぎゃあああああああ動いてはるううう」
「そりゃ生き物やから…いたっ、痛いてナマエっ」
「小石いいいいいい」
「ふんぎぃ!」
「おっしゃ、ナイスや金ちゃん」
「堪忍な。南無阿弥陀仏」
「みんな銀に続きー」
「へーい」
「なーむー」
「来世はナマエに見つからんようにな」
「あたしが悪いみたいやんけ!」
「ほな部活再開しよか」
「ナマエ、離してくれるか」
「あ、すまん小石。あれ?コート行かへんの?」
「あのゴ…Gを片づけとかなナマエが部活入られへんやろ!」
「小石…!」
「ゴキブリごときで時間の無駄やったスわ」
「おい小石、Gの前にあいつを始末せぇ」
「いやいやいや」


20110725

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