「ちーとーせーくーん」
「千歳ー!どこやー!」
「千歳おらんなぁ、金ちゃん」
「せやなぁ。お、猫や!」
「あかんで金ちゃん、白石に怒られる!」
「!」
「もっかいあっちの方を…ってぎゃあ!」
「わっ、ナマエ!」
「いったー!転けてもうたー!」
「大丈夫かいなー」
「…挫いた」
「痛いん?」
「ちょっとな、歩くの遅うなるわ」
「ほなワイがおぶったるで!」
「いやいや、金ちゃん私より背ぇ低いやん」
「ナマエぐらいおぶれるわ!ほら、乗りぃ」
「…重いで?」
「ワイ力持ちやもん」
「…せやな、ほな甘えて」
「よっと」
「うわぁ、金ちゃんすごいなぁ。せやけど重いやろ?」
「こんくらい平気や!ほな千歳探しに行こか!」
「おー」

「金ちゃん!ちょい待ち!あれ千歳とちゃう!?」
「ん?あ、ほんまや!千歳ぇ〜!」
「金ちゃん、ナマエ。それは何の遊びね?」
「遊びちゃうわ!アンタ探しとる間に転けてもうたんや!」
「あらら。金ちゃん、代わりなっせ。俺がおぶるけん」
「せやな、ありがとう金ちゃん」
「ワイ全然平気やで?」
「金ちゃん、自分より小さい子におぶられる私の気持ちも考えてぇな」
「…」
「せやけどほんまに助かったわ、金ちゃんは力持ちの上に優しい子やね」
「ほんま?」
「ほんまほんま」
「へへへ…ほなワイ、白石にナマエが挫いたこと言ってくるわ!」
「お、おん。頼んだわ」
「はーい!」
「おー、早かねぇ」
「…びっくりした」
「何がね?」
「あないに人に気ぃつかえるようになったんやなって」
「金ちゃんも成長しとるとよ」
「いや、知ってたけど、なんや悲しいなぁ。親の気持ちが分かるわ」
「そやね」
「…白石にも言うたろ」
「それがよか。よし、じゃあナマエ乗りなっせ」
「おん、おおきに」
「よっと」
「さすがに千歳は高いなぁ」
「…ナマエも成長しとる、いつだかより重…」
「あん?」
「いたっ」

「おー、帰ってきたで」
「ナマエ、足大丈夫か?」
「だいぶ。湿布だけお願いするわ」
「おん」
「あれ、金ちゃんは?」
「帰ってくるなり真面目に練習やっとる、ゴンタクレが珍しいやろ」
「…さっきな、金ちゃん私のことよぉ気ぃつかってくれてん。成長したんやなーって思うくらい。なんや寂しくなったわ」
「あぁ、分かるわ」
「…私らに甘えてくれんようになるんも近いんやろなぁ…」
「それまで目一杯甘やかしたい気持ちもあんねんけど」
「そういうわけにもいかず、な」
「な。貼るで」
「あ、うん、おおきに」
「親みたいやねぇ、二人とも」
「見た目的には千歳と金ちゃんのが親子やで」
「せや。金ちゃんが走ってきた後ろから千歳がナマエおぶって帰ってくるのが見えて、お前らほんまに親子みたいやったで」
「私もかい。私子供にはママて呼ばせたい派やで?」
「金ちゃんがぁ?」
「ほな千歳はパパか」
「なんっか軟弱やね〜」
「やかまし九州男児!絶対ママや!」
「ははは、なしてそがん本気なん。俺との子供欲しいと?」
「セクハラー!千歳がセクハラやー!」
「子供できたら呼んでな〜」
「白石もセクハラやー!」
「なんやナマエ、やかましいやっちゃな」
「謙也!二人が私にセクハラしてくんねん!」
「はぁ?誰がお前の貧相な体にセクハラすんねん」
「小春ちゃーん!みんながセクハラしてくるー!」
「なっ!」
「も〜みんなナマエが可愛えからっていじめたらアカンで〜」
「せやせや!」
「可愛え?誰が?」
「小春ちゃん、謙也の股間蹴ってええで」
「こわっ!」
「どっちがセクハラやねん」
「こわか〜」
「三人とも股間に気ぃつけぇよ!子供なんかできひん体に…!」
「みんな何の話してんのー?」
「金ちゃん!」
「あーいや、何でもなかよ」
「えー?めっちゃ盛り上がっとったやん!ワイも入れてーな!」
「金太郎さんにはまだ早いんよ☆」
「こら小春っ」
「ん?」
「さ、金ちゃん俺と試合せんね」
「お!千歳とやるん久しぶりや!負けへんでー!」
「ははは」
「ナイス千歳!金ちゃんにあんな話聞かされんっちゅー話や」
「せやねぇ、金太郎さんはまだ早いわ」
「…なんやあれやな、みんなやな、白石」
「せやな」
「あ?何がやねん」
「みんな金ちゃんのおとんやなって話」
「いや、ちゃうで。一人おかんや」
「あぁ、そっか私は」
「白石はおかんやろ」
「股間に気ぃつけぇよ謙也」
「な、何でや!」
「アホやねぇ、謙也くんは」
「ははは、なぁ、ほんまに」


20110711

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