「何?この線」
「境界線じゃ」
「何の?」
「俺とお前さんの」
「何で?」
「お前さんは素直すぎる」
「そうかなぁ」
「あんまり俺と関わると道を外すぜよ」
「なにそれ、変なの」
「そこで笑うお前もな」
「そう?でもこんな境界線意味ないと思うけど」
「何でじゃ?」
「私仁王くんのこと好きだからこんなの飛び越えちゃうもん」
「…飛び越えんための境界線なんじゃが」
「ダメだよ、好きなんだからそれくらい受け取ってよ」
「…敵わんのう」

 地面に引いた薄いラインをちらりと見てから仁王くんは軽く笑った。やっぱり仁王くんは不思議で独特な考えをするから面白いし好きだなぁ。図々しく、ずりっと足で仁王くんが引いたラインを消そうとすると、一瞬驚いた仁王くんは可笑しそうに笑って私に手を差し伸べる。

「来んしゃい」

 この線からは先は仁王くんだ、と引かれるがままに飛び越えた。


20110530
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