けたたましい轟音に耳を塞ぐ。いつ聞いても静雄が街を破壊する音はすごい、というか街を破壊すること自体がすごい。臨也の計らいなのか、静雄に襲いかかった男たちは静雄が振り回す標識や自販機を見て蜘蛛の子を散らすように逃げていった。それが懸命だ、キレた静雄を普通の人間がどうこうできるものではない。
 静雄は男たちがいなくなったことに気づいて舌打ちをし、ガラァンとまた大きな音を立てて標識を地面に落とした。周りには原型を留めていない自販機、看板、ゴミ箱、信号機、砕けたコンクリート、何とも言い難い景色だ。まぁ、とにかく、どうだ、すごい破壊力だろう?と考えるのをやめて静雄に近づいた。
 静雄は近づいてきた私に気づくと、気まずそうな表情をした。そんな表情しないでも、弁償をするのは静雄自身だし私は怒っちゃいない。ただとりあえず「逃げようか」と言いたいだけだ。静雄、と声をかけると静雄は言いづらそうな顔で、目をそらしながら呟く。

「…悪ィ、その…頼むから、嫌いになんなよ」

 どうだ、すごい破壊力だろう?


20110413
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