「また寒くなったねぇ」
「せやなぁ。日が沈むとやっぱり冷えるわぁ」
「風邪引かないようにしないと」
「侑士ー。あ、ナマエでいいや、俺のジャージ取ってきて」
「えーめんどい」
「それくらいしろよマネージャーだろ」
「ナマエ、俺も。あとジローのも。寝てっから何か掛けてやらねーと。ついでに長太郎と若のも持ってきてやれ、ストローク終わったら休憩だし冷やしたら悪ィからな」
「…そこまで気遣いができるなら亮が持って来たらいいと思うんだ」
「俺は今からコート入んだよ。頼むな」
「…」
「ほなついでに俺のも」
「あーはいはい分かりました分かりました跡部のも樺地のも持って来ますよ!」

「さすがにこれだけあると重い…」
「おーお疲れさん」
「えーっとまずこれは…小さいから岳人かジローのだね」
「どっちのやろか?」
「綺麗だからジローのだよ」
「よう分かるな」
「だって岳人は跳んで木とかにひっかけるもん。ジローは動かないから綺麗」
「なるほど。ほなこれは?」
「それも小さいから岳人」
「これは?」
「おっきいから長太郎か樺地。樺地だね、一番大きいやつ」
「これも大きいな」
「じゃあそれは長太郎」
「あとは俺のと跡部、宍戸、日吉か」
「同じサイズだから分かりにくいよね。とりあえず汚いのは亮」
「ほう」
「で、畳の匂いがするのが若で香水の匂いがするのが跡部。残ったのが忍足」
「さすがマネージャーやな」
「まーね。さ、風邪引かないうちに渡してきますか」
「おおきにな」
「あいよ」
「ナマエ、俺のは?」
「はい、これ。ジローちゃんにこれ掛けてあげてがっくん」
「へーへー」
「若ー寒いから着ときなさーい」
「ありがとうございます」
「長太郎も」
「すいません、ありがとうございます」
「亮は?」
「跡部さんと打ち合ってます」
「頑張るねぇ。あ、樺地も、はい」
「ウス」

「跡部亮ー」
「続けて呼ぶなよ気持ち悪ィ、激ダサすぎる」
「こっちの台詞だ」
「跡部亮、ははは」
「うぜぇ」
「せっかくジャージ持って来てあげたのに」
「あぁ、悪ィな、サンキュ。ジローにもやったか?」
「うん、岳人に頼んだ。がっくんジローちゃんにって」
「出た。頼み事のときはいつもそれだよな」
「そういえばそうだな」
「岳人のお母さんの真似なんだよ」
「「へぇ」」
「ハモったね」
「真似してんじゃねーよ宍戸」
「誰がするか!」
「はいはい、とりあえず冷えないうちにこれ着てね」
「おう、ありがとな」
「悪ィな」
「げっ、跡部の香水うつってんじゃねーか」
「あー。一緒に持ってたから」
「くせ」
「宍戸の汚ぇジャージと一緒に持つんじゃねーよ」
「汚くねぇ!」
「汚いよ〜それで分かるもん」
「…あぁ、毎回それで判断してんのか」
「は?何がだよ」
「俺も宍戸も忍足も若も同じサイズのジャージなのにナマエは間違えて渡したことねぇだろ」
「あー、たしかに」
「あんたたちは個性が強すぎてジャージにまで出てるんだよ」
「こいつには負ける」
「アーン?」


20110326
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