熱い。最近やたら視線を感じると思ったらその視線は手塚からだった。それが分かったときから視線は更に熱を帯びて、心臓がじりじりじりじり痛くなる。まさか手塚、私のことを、いや、まさか、手塚に限って。
 ふとテニスボールが転がる先を見たら目が合って、手塚はちょうどいいと言わんばかりに私の方に向かってきた。私もこの際だから、と手塚に問う。

「最近手塚、私のこと見てる?」
「あぁ、かもしれない」
「ちょっと、その、見過ぎというか、熱くなるといいますか」
「偶然だな、俺もだ。お前を見てると目と胸のあたりが熱くなる。動悸もおかしくなる、病気か何かだろうか」
「…!」
「恋の病ってやつだね」
「ちょっと黙ろうか不二くん!」

 くさいというかベタで恥ずかしい言葉を言う不二くんを黙らせてる間にも手塚の視線は熱い。むしろ前より熱い気がする、火がつきそうだ!


20110324
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