蒸し暑い日々が遠ざかったようで、窓からそよぐ風がとても気持ちいい。お昼ご飯を食べて食器を洗い、ソファーに座って銀ちゃんが用意してくれていた麦茶を喉に通せばいつの間にか渇いていた喉が潤ってホッとした。風がまたそよぐ、洗濯物もすぐ乾きそうないい天気だ。窓から見える青空に散歩もいいなぁ、神楽ちゃんたちの散歩について行けば良かった、と考えた。銀ちゃんは私の隣に座っていつものように耳をほじりながらジャンプを読んでいる。汚くてガサツだけど平和だ、落ち着く。水滴のついたコップをテーブルに置き、体の力を抜いた。あと一時間もすれば洗濯物を片付けれるなぁ、そしたら買い物に行こうかな、四人分のアイスとか買って、みんなで交換したり。あぁ風が気持ちいい。

 あ、寝てた。
 うっすら目を開けたら立っている神楽ちゃんの足が見えた。いつの間にか寝てた上に銀ちゃんの肩に寄りかかってるしいつの間にか銀ちゃんと手を繋いでいた。え、何で、と寝たふりをしながら考えていたら神楽ちゃんが「恥ずかしいアルなー」と呆れたような声を出したから起きるタイミングを逃してしまった。今起きるのは確実に恥ずかしい。「今日はいい天気だからね」新八くんの苦笑い気味の声だ「起こさないようにね、神楽ちゃん。洗濯物でも入れようか」「おう」あー、いい子たちだなぁ、ねぇ銀ちゃん、いい子たちだねぇ、別に叩き起こしてくれてもよかったのにね、嬉しいね、とぎゅっと手に力を込めたら銀ちゃんも手に力を込めてきたからこっそり銀ちゃんを見上げたら銀ちゃんも起きていて優しく、どこか嬉しそうに笑っていた。

「いつ起きようか」
「そうさなぁ」

 小さな声で笑い、また目を瞑る。「今日のご飯は僕たちが作ろうか」「任せるヨロシ!」「…やっぱり僕が作るよ」ねぇ銀ちゃん、幸せだねぇ。


20110118
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