「ねぇねぇナマエちゃん」
「なんだい銀時くん」
「何だか僕ムラムラしてきちゃったよ」
「…」

 ソファーに寝転がって、向かいのソファーで同じく寝転がってジャンプを読んでいるナマエにそう言うと、ナマエはジャンプを閉じて和室に向かった。お、これは、と期待と下心と共にナマエについていくとナマエはゴソゴソとタンスを漁っていた。あり?そこには…

「たらららったら〜アダルトビデオ〜(ダミ声)」
「(ダミ声)じゃねーよ!何で知ってんのお前!?」
「分かり易すぎるよ、中学生じゃないんだから」

 ナマエは呆れながらそう言い、AVを持って俺に近づいた。パッケージは最近のお気に入りだが、これはひょっとして。

「はい、頑張って」
「頑張って、じゃねぇだろォォォ!!」
「おいおい、お気に入りのAVを粗末にするなよ」

 そう言ってナマエは俺が床に叩きつけたAVをしゃがんで拾い、ついでにしゃがんだままパッケージを見始めた。「うわ、なんか変なのついてる」とパッケージを叩くナマエに、俺は思わず叫ぶ。

「いやいやいやいやおかしい!おかしいだろこれは!彼氏が彼女にムラムラしてるっつーのに何で他の女で頑張って、になるんだよ!っつーか何でお気に入りって知ってんだよ!っつーか何まじまじ見てんの!?やめてくんない!なんか恥ずかしいからやめてくんない!」
「あぁ、ごめんごめん」

 ナマエはけろりとそう言って、しゃがんだまま俺にAVを渡そうと手を伸ばす。ナマエが着ているのは俺のTシャツで、上から見ると十分にナマエの胸が見えた。しかも何でこんなときにしてないのかね、ブラジャーを。
 なんかもう疲れて、こんなにナマエにムラムラしてるのにナマエはそうでもなくて、それでもナマエがなぜか可愛くて、とりあえずムラムラして、ナマエと同じようにしゃがんだ。あぁ、可哀想な俺とその息子。

「銀ちゃん?」
「銀さん、ナマエが何考えてんのかほんと分かんないんだけど」
「ん?」
「何考えてんのナマエちゃん」
「私を押し倒したいくらいしたいなら付き合ってあげてもいいなと考えてた」
「…まじでか」
「痛くしないでね?」

 冗談混じりにナマエがそう言うのが、お気に入りのAVに出る女と同じ台詞だったけれどそんなのとは比べものにならないくらい興奮した。もうそれはそれは、体中の血潮がナマエを求めて止まないような動悸が更に俺を興奮させる。

「たまんねぇ」

 「オッサンみたい」と笑うナマエが持つAVを奪って投げ、キスをして畳に押し倒した。軽く腰を掴むと「何?」とナマエがくすぐったそうに笑う。そもそもムラムラしたのは寝転がるナマエの腰にすげぇ触りたかったからなんだよな、うん、触ったら触ったでやっぱりムラムラするわ、うん、いただきます。


20110522
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