銀ちゃんが一人でのんびりというか、ゆっくり?マイペース?あ、グダグダだ。銀ちゃんが一人でグダグダとお酒を飲んでいたから隣に座ってみた。お酒を飲みながらテレビを見ていた銀ちゃんはうっすら赤い顔を私に向ける。何か考えてたのかな、と銀ちゃんのマトモな顔を覗き込んだら銀ちゃんはすぐにニヘラと笑った。機嫌が良さそうな、エロ親父みたいな笑顔だ。何となく嬉しくて笑ったら銀ちゃんも笑いながら私の頬に唇を押し当ててきた。

「ナマエちゃんどこ行ってたんだよ〜銀ちゃん寂しかったぞ〜」
「ちょっとお登勢さんとこにね」
「あー?」

 銀ちゃんは唇を尖らせる。可愛いなぁ、と笑ってしまった。何かのお菓子みたいな白い肌が、いちごミルクみたいにほんのりピンクで可愛い。胸が急に暖かくなり、ドキドキする。
 好き、好きだなぁ銀ちゃん。思わずこっちまでニヤリと笑っちゃう。ちょっと頭がクラリとしてしまうような動悸が心地いい、とても。
 銀ちゃんは相変わらずニヤニヤしながら私にキスしたり太ももを触ってきたりする。くすぐったいけど気持ちよくて恥ずかしい。熱くてお酒臭い銀ちゃんの吐息が私の肺の中で暴れて、心臓もつられて更に暴れだす。
 好き、好き、銀ちゃん大好き。

「銀ちゃん」
「ナマエ」
「ん」
「ナマエちゃーん」
「銀ちゃん、あのね」
「んー?」
「大好き」
「おう、照れるなぁ、ナマエちゃんたら」
「銀ちゃんだけがいれば生きていけるよ」

 そう言ったら銀ちゃんは額やら頬やらに注ぐキスをやめて、私の顔を熱くて大きな手で包み込んだ。ニヤニヤした笑いが優しい優しい笑いに変わり、優しい優しいキスが唇に降ってきた。体の底から熱くなってなんだか泣きそうになってしまう。

「お前がそんなに強い奴だったなんて俺ァ知らなかったよ」
「…意地悪」

 銀ちゃんはまた笑う。私が唇を尖らせると、ぐしゃぐしゃと私の頭を撫でた。
 たしかに私は銀ちゃん以外にも大切な人はたくさんいる。神楽ちゃんや新八くんはもちろんだし、お登勢さんだってヅラだっていっぱいいっぱい大切な人がいる。銀ちゃんだけがいれば、なんて言って、銀ちゃんがいなくなってしまったら私は周りのみんなを頼って、慰めてもらうに違いない。銀ちゃんもみんなもいなかったら、どうなるんだろうか。考えてしまって涙が出そうになった。それに気づいたのか、銀ちゃんは私の頬を撫でて可笑しそうに笑う。

「泣くなよ」
「泣いて、ないよ」
「俺もナマエだけがいれば生きてけるぜ」
「うん」
「お前は可愛いねぇ」

 またニヤニヤと笑う銀ちゃんは私を抱き締めた。暖かくて今度こそ本当に泣いた。
 私が銀ちゃんだけがいれば、なんて言ったのは、銀ちゃんのためだとかムードだとかそんなんじゃなくて、銀ちゃん、私は本当にそう思ったんだよ。銀ちゃんだけでいてくれれば、って本当に思ったんだよ。

「銀ちゃん大好き」
「おいおい、どうしちゃったの今日は」
「思ったことを言ってみただけ」
「んじゃ俺も言おうかな〜」
「うん?」
「布団行こうぜ」
「死ね酔っぱらい」


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