「あの、何してんですか銀さん」

 あ〜ダメかなコレ、ダメだぞコレ。どうすっかな〜なんかもう若干すべてがめんどくさくなっちまったな〜どうすっかな〜。

「聞いてますか、ちょっと」

 いやめんどくさいとか言ったら終わりだろ、終わりだ。諦めるな俺、俺なら大丈夫だ俺。

「ちょっとォォォ!どんだけ甘いミルクティー作るつもりだァァァ!」
「あ」
「あ、じゃないですよ!カップの半分以上が粉じゃねーか!」
「なァ新八ィ…」
「あーもーこんなに粉だらけにしてー…。何っスか?」
「仲直りって、どうしたらいいかな?」
「…やっぱりあんまり糖分取んない方がいいっスよ、頭沸きましたか」
「いや確かに糖分が喧嘩の原因だけどさァ…無理じゃね?」
「まぁ確かにこんなミルクティー作る時点で無理ですよね」
「っつーかケーキ取っただけで殴るってどーよ?」
「何ぶつぶつ言ってんですか、飲むなら飲んでくださいよ!」

 そう言って新八は台所から出ていった。あり?なんか相手にされてなくね?最近新八冷たくね?今の目もちょっと軽蔑をはらんでなかった?気のせい?気のせいかなコレ?気のせいじゃないぞコレ。ってかこれ俺が飲むの?さすがにコレ…いやちょっと美味しいかもしんねぇな。とりあえず湯入れっか。
 コポコポと湯を入れると淡い色の粉が浮いて、沈んでいった。甘ったるい匂いが広がる。

「銀ちゃん」

 呼ばれて向くと、さっきケーキで喧嘩をした彼女がコンビニの袋を俺に向かって突きつけていた。目が真っ赤になっている。真っ赤な目で俺を睨み付けて、唇を噛み締めているから可愛くて驚いた。「お前泣いたのか」と言う前にお湯が溢れていることに気がく。

「うォっちゃァァァ!!」
「ちょ!何してんの!お水!早くお水!」

 コンビニの袋を投げ捨てて、彼女はすげェ力で俺の手を掴んで蛇口をひねり、水をかけた。
 ピリピリする手が少しずつ冷えていき、彼女の暖かい手が添えられて気持ちいい。やべ、なんか涙出てきた。

「何してんのほんとにもー…」
「い、いや、お前がそろそろケーキ持ってくると思ったからミルクティー作ろうと思ってだな…!」
「あ…そういえばケーキ落としちゃった」
「ちょっとォォォ!」
「銀ちゃんのミルクティーだって有り得ないじゃんコレ!」
「悪かったって」
「…私も」

 潰れたケーキと二杯分に薄めたミルクティーで仲直りした。なかなか美味かった。


091124

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