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▼ クリスマス休暇5

 上座でも、先生達もいつもより浮かれている様子だ。ダンブルドアは、いつもの三角帽子ではなく花飾りのついたお洒落な魔女向けの帽子を小粋に着けていた。ハグリッドはワインで顔を真っ赤にして見るからに酔っぱらっていて、恐れ知らずにも、マクゴナガルの頬にキスをしていた。マクゴナガルはソフィアの予想に反して頬を赤らめてクスクス笑った。てっきり怒り出すと思っていたので、ソフィアは女性らしい様子に驚いた。スネイプは、フリットウィックに無理やりパーティーハットを着けられ、仏頂面で食事をしている。こちらはソフィアの予想通りの態度だった。

 テーブルを離れるとき、ソフィアはこっそりと二十日ネズミを数匹失神呪文をかけてローブのポケットにしまった。周りに見られたら、何故だと聞かれるだろうが、まさか校則違反のペットの餌にするとは言いたくない。ダンブルドアと目が合ったような気がしてソフィアは焦ったが、幸いにもダンブルドアからねずみを持ち帰ることについて質問されることはなかった。

 昼過ぎにはウィーズリー家とハリー、ソフィアの六人で雪合戦をした。双子が自動でパーシーを狙うように雪玉に魔法をかけたものだから、パーシーは一人だけ大忙しだ。大笑いしているロンにソフィアは背後から近づき、浮遊呪文で浮かせていた雪をロンの頭上で落とした。今度はソフィアが大笑いする番だ。

「ふふふ! 油断大敵!」

 ソフィアは知人の口癖を呟きながら、くすくす笑った。

「君ってたまにフレッドとジョージよりひどいよ! ウィンガーディアム・レヴィオーサ!」

 ロンが浮遊呪文で雪を浮かせるのでソフィアは驚いた。てっきりロンは浮遊呪文を未だマスターしていないと思い込んでいたのだ。(真実薬に誓って馬鹿にしている訳ではない。)

「おおっ! ロニー坊やを虐めたな」

「いじめっ子には相応の報いを!」

 いつもならソフィアに加勢するだろう双子はどうやらロニー坊や弄りよりもソフィアに悪戯する方が楽しいと判断したらしい。ロンだけなら簡単にいなせていたソフィアも、双子まで相手となると部が悪い。気がつけば、雪に埋もれ視界は真っ暗だった。雪は白いのにねとソフィアはくだらないことを考えながら慌てて起き上がった。

 窒息したらどうしてくれるのだろうか。双子は起き上がったソフィアの頭の周りに器用に雪を固め、クィレルとお揃いのターバンさと言ってげらげら笑った。ソフィアは、今朝貰ったばかりの噛みつきフリスビーを持ってくればよかったと後悔した。今こそ、贈り主に使ってやるべき場面だったのに!

 服はビッショリと水が滴るほど濡れてしまい、ソフィアが両腕を自分の体に巻き付けて暖を取ろうとしたところで寒さは少しも緩和されない。歯がカチカチと鳴った。大急ぎでハッフルパフの談話室に戻って着替えると、暖炉の前に座り込んだ。パチパチと音を立てて薪が燃えた。

 一人でさみしく過ごすと思っていたクリスマスはとても楽しいものになった。ソフィアは、ふかふかのベッドに潜り込みながら、ソフィアは急速に眠気が襲ってくるのを感じた。布団のぬくもりに包まれながら、ハッフルパフの友人を思い出した。彼らはクリスマスをどう過ごしたんだろう……。



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