immature love | ナノ


▼ 犬の恩返し3

 学期の最後の日、 ソフィア はO.W.L試験をなんとか突破した。驚くべきことに、魔法薬学はOを納めていた。スネイプは ソフィア が縄で縛って以来、 ソフィア に対する態度は恐ろしいものになっていた。

 ギリアンが引き気味に「お前、スネイプのパンツでも盗んだのか? それかあいつの故郷の村を燃やしたとか――」と真剣な表情で ソフィア に聞いてきたほどだ。

 スネイプは ソフィア を見るたびに薄い唇をめくりあげ、今にも殺してやりたいと思っていますと言いたげな表情をするようになっていた。

 一方で、防御魔法でスネイプを守ったセドリックに対する評価はうなぎ上りだったのか、今ではスリザリン生並みの贔屓をセドリックは受けている。 ソフィア もプロテゴでスネイプを守ればよかったと少しだけ後悔した。

 セドリックはあの科目数でもOばかりで非常に優秀な成績だったし、 ソフィア と仲のいいギリアン、レティ、マルタも全ての試験で合格していた。フレッドとジョージもすれすれでかなりの科目をパスできていたのだから驚きだ。

 学期末の宴会は、クィディッチでの善戦もありグリフィンドールのシンクと金色で飾られていたが、ハッフルパフのみんなもスリザリンが勝ってないならそれでいいと言わんばかりに浮かれ、大いに食べ、飲み、笑いあった。

 翌朝、ホグワーツ特急がホームに現れたとき、生徒がざわめいてぽかりと空間ができていた。なんだろうと思って ソフィア とセドリックがそちらに行けば、シリウスがいるではないか! 彼は、ハリー、ロン、ハーマイオニーと話しているところだった。

 ロンは小さなフクロウを嬉しそうに抱きしめていた。ハリーは何やら黒い大きな羽を持っていて、それを見たセドリックが驚いたとばかりに「あのヒッポグリフの?」と聞いた。

「ああ、バックビークは私の家にいるよ。ブラック家はいくつか家を所有していてね、森があるちょうどいい物件があったんだ」

 シリウスがウインクをして、「彼は元気そうにしてるいるよ」と付け足した。そういえば、シリウスは天下の、純血の王様とまでいわれるブラック家当主だったと ソフィア は驚きを飲み込んだ。

「実は今日は渡したいものがあって来たんだ」

 シリウスは ソフィア に大きな箱を渡した。受け取ったが、大きさに反してそれは軽い。不思議そうにする ソフィア にシリウスは微笑んだ。

「君のキスで人間に戻れずすまなかったね。レディに恥をかかせてしまったお詫びだ――あと、美味しい生肉のね」

 茶目っ気たっぷりにウインクしたシリウスは、真っ赤になった ソフィア とそんな ソフィア とシリウスの間を何度も視線を往復させていたセドリックの方へ向き直って何か小さな小包を渡した。

「セドリック、君にも肉のお礼をさせてくれ――恥ずかしい限りだが、私は君と ソフィア が餌を与えくれなければ餓死するか盗みを働かなければならなかった」

 ハーマイオニーが ソフィア の方へとやってきた。

「きっと中身はドレスだと思うわ。実はね、私も貰ったの」

 こっそり耳打ちしてきたハーマイオニーは「ドレスなんて着る機会がないし、私なんて似合わないのにね……」と少し恥ずかしそうにうつむくので「あなたに似合わないならきっと誰もきこなせないわ。ハーマイオニーはとっても可愛いもの」と ソフィア は耳打ちし返した。

prev / next

[ back to top ]



「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -