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▼ クリスマス2

 談話室に行けば、セドリックは ソフィア がプレゼントしたクィディッチ選手名鑑を読んでいた。嬉しそうに、ありがとうと笑うセドリックにこちらこそとお礼を言う。

 その後、暖炉前の特等席でセドリックと試験勉強をし( ソフィアは今日は勉強しないつもりだったが、セドリックが当たり前のように教科書を開いたのでやむを得なかった)、時計の針が上で重なる頃に席を立った。

「実は、ホグワーツのクリスマスディナーを食べるのは初めてなんだ。楽しみだよ」

「多分びっくりすわよ、七面鳥の丸焼きがたくさんあるの!」

 大広間にいくと、各寮のテーブルはまた壁に立てかけられ、広間の中央にテーブルが一つあった。食器が用意されていて、ダンブルドアをはじめとした先生方はもう着席していた。見知らぬ下級生と上級生が数人、それとハリー、ロン、ハーマイオニーがいる。

「 ソフィア! 聞いてよ! あっやっぱりなんでもない。今度でいいや」

「変なロン。まあ、いつでもいいけど」

 声高々にチャドリーキャノンズが勝ったことを自慢するときとそっくりの調子でロンは ソフィアを見るなり声を上げたが、隣にセドリックの姿を認めるとなんでもないと首を振った。 ソフィアは首を傾げつつ、どうせクィディッチ関連の自慢かと見当をつけて頷いた。

 テーブルにはトレローニーまでいたのだから、 ソフィアは驚いた。マクゴナガルの隣に座ってブツクサ言っていたが、 ソフィアとセドリックの登場に喜んだ。少なくとも、生徒の登場にこれほど喜ぶトレローニーを見たのはこれが初めてだった。

「まあ! これで不吉な数字は打ち砕かれましたわね!」

 トレローニーとマクゴナガルはなにやらばちばちと火花を散らしながら話していたが、 ソフィアは気にしていられるかと目の前のローストポークを食べるのに夢中になった。

 セドリックはダンブルドアに話しかけられて、いささか緊張しているようだった。 ソフィアもダンブルドアをこんなに近くで見るのは失神の呪文で医務室送りにされた時以来だったので気持ちはわかる。

「さて、 ソフィアも学校生活はどうだね。レクシーは元気かな」

 ダンブルドアの次の標的は ソフィアらしい。クラッカーで出てきたハゲタカの剥製付きの三角帽子を被ったダンブルドアは半月系の眼鏡の奥から瞳をキラキラと輝かせた。

「毎日楽しいです。レクシーは最近は暖炉の前で寝てばかりですね、やはりイギリスの冬はグリーンイグアナには寒いみたい」

「それには手編みのセーターでも着せてやるとよいかもしれん」

 ダンブルドアはお茶目に言ったが、本当に良い案かもしれないなと ソフィアは思った。

「ところで、フィレンツェと会ったことがあるのかね?  ソフィアとセドリックの調子はどうかとこの前偶然会った時に聞かれての」

 ダンブルドアがお茶目な調子のまま聞いたが、 ソフィアもセドリックも肩が跳ねた。これでは、禁じられた森に無断で入ったことがダンブルドアに知られているも同然だ。なにせ、ケンタウロスは森から出てくることはないのだから。

「一度だけ、話したことがあるんです。私の父を知っていたみたいで」

  ソフィアのセリフにセドリックは少し戸惑った雰囲気だった。何から何までお見通しなのか、それはなにより!とダンブルドアは会話を締めくくると一年生に話しかけた。彼らはダンブルドアに話しかけられて緊張で顔を真っ赤にしていた。

  ソフィアはクラッカーから飛び出たハツカネズミに湿疹の呪文をかけて持ち帰るのを忘れなかった。ところが、その様子にロンがスキャバーズを連想したのか非難の声を上げたので、 ソフィアはキャッチアンドリリースせざるを得なかった。

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