はなし のコピー | ナノ

跡部景吾
06/01 Sat

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変な夢だった。
おれはスーツを着てオフィスで働いてて、多分SE。誰もいない家に帰って風呂はいって寝る。そんで朝七時に起きてスーツを着て仕事をする。ただそれだけを永遠と繰り返す夢。
あ゛ぁ゛変な夢みた...、
おれは朝七時に起きて制服に着替えて
今日氷帝学園に入学する。

「い゛や゛まって。もしかして今この、いやまってこっちが夢かもしれんないだって...いやまっておれいや...いやおいまってくれよ...」
入学式が終わって気づいたらトイレに駆け込んでた。
だっておかしいだろ。
あれだっておれ、あれOVAだろ?!??!観たの昔過ぎて覚えてなかったけど、いや思い出したわ。いや...テニスの王子様はキツイって...
まって~~てことはあの人たちと同期?
同じクラスになる可能性があるんだよね...まって~~~...絶対関わり合いたくないすぎる。
とりあえず、目立たない。争わない。意見しない。絶対中立どっちつかずなあなあでやり過ごす。おれは夢小説の主人公になっちゃダメです。知ってる姉がそういう夢小説ばっかり読んでたし。SNS普及時代でそーいう夢小説の触りいっぱい知ってるから。

おまえおもしれー女じゃねーの俺様と付き合え!(指さし)
はあ?誰があんたとなんか?フンっ!
なによあの女ーキィィ!!!...ってやつだ...

いやおれ男だけど...
まっておれ男じゃん!あ、なんだおれ男じゃーん!
って気づいたんだよね入学から3日後ぐらいに
そうだよおれは正真正銘中身も外見も男だった
顔が何故か見覚えのない顔になってたしパサパサで死んでたえ?タンパク質ってなんすか?みたいだった髪もサラサラピカピカになってだいぶ血色と肌ツヤのいい、いわゆる顔がいい男になってた。でも変わらずタレ目だったなんで垂れてんのおれの目...?
まあそんな目はさておき。
俺は男。つまり「おもしれー女じゃねーの。俺様と付き合え(バーン)(指パッチン)」は神回避~~したわけじゃん?
もうね、おれは1年やりたい放題やった。
向日岳人と同じクラスだったから仲良くした。そしたら芋づる式に宍戸亮と芥川慈郎とも仲良くなった。
一緒に帰ったりたまに3人の部活みたり休日遊んだりゲームしたり宿題見せあった(主に向日岳人がおれの宿題を写してた)り普通に友達になった。
女子たちから「仲良すぎなんですけど!」「テニス部に近づきすぎ!」なんてこったー言われない。それどころか「仲良いんだね(可愛い声)」「テニス部はいらないのぉ?」って結構好意的だったりする。
いやさすがにテニス部入るのは無茶だって...。地頭はいいし中学生レベルの勉強なら余裕だから学力は問題ないけど体力は問題ありだからそればっかりはね...。
それにテニス部はいったらアレじゃん...ほら...(跡部様がさ...)
後に骨まで見えて建国までしちゃう跡部様がさ...いるじゃん...
さすがに...なによあんたー!体育館裏に来なさいよねー!跡部様に気安く近ずかないでよね!になっちゃうじゃん。
「...そんなことになったらおれの人生が終わる...。刺されたり水かけられたりするし靴隠される...」
「刺されたりあとに水かけられるのかよ順番逆じゃね?」
「それに比べると靴隠されるは地味すぎじゃねーか」
「つかなんの話だよ?」
こうやって向日岳人と宍戸亮と楽しく話してるけど実はこれも案外リスキーだったりするのかもしれない。

そしておれの平和ほのぼのなんの問題もなくこの世界で老衰できそうルートは2年生になって唐突に終わりを告げた。4月も終わり5月も中頃放課後の廊下でそれはもう、突然。

「おい、お前」
目の前にいる男に対してお前~~だぁ~~?
きみが跡部景吾じゃなかったらぶん殴ってるしきみが跡部様の時点でおれはもう失神してるからな。つまり今おれは跡部景吾にお前 って二人称指しされてるってわけ...。もうおわりだ...
「え、なに...」
やばいあぁあいあいあ!!!びっくりしすぎてタメ口になっちゃった死んだ社会的に!明日上履き隠されてるわ泣いた!
「お前六月ひろだよな?テニス部にはいれ。いいな」
ぅわ!これ知ってる
姉が言ってた!イエスorはい(暗黒微笑)だ...!
...あれでもそれってもっと学園祭 違う人だったろ...たしか...神の子の人だろ。いやなんだ神の子の人ってそれって人なんかーいつって...神かーいつって... ...は?
「...いやまって?!無理無理無理無理なんですけど!できないできない!おれマジでテニスできない!」
というか運動が無理。というかまってだって君たちテニスじゃないじゃん「テニヌ」じゃん。
簡単に肘とか膝とか壊すじゃん!九州行ったりドイツ行ったりするじゃん
最終的には海賊になったり刺されたり馬乗ったりしっちゃかめっちゃかじゃんいや大好きだよそういうの!!!
じゃなくて!意味わかんないんだけど
たしかにテニス部の向日岳人宍戸亮芥川慈郎とはそれなりに仲良くやってたよ?いや普通にね?
でもこういう「テニス部にはいれ!」的なノリって例えば昔見た夢小説では女子テニスが廃部になっちゃって~とかテニスが好きだから~とか大前提としてテニス好きじゃなと...!
おれテニスの王子様は好きだけど、選手になれるほどついていけないんですけど!?!!
「誰が選手で入れっつったよ。マネージャーが辞めたんだよ」
「え...それって(絶対女子同士の壮絶ないじめだ...!)」
「まあ正確には卒業したんだが...女子だと何かと問題があったからな」
「(絶対いじめじゃん!!!!!現実は夢小説より残酷なりすけ涙止まんねー)え...でもなんでおれ...?」
「あーん?決まってんじゃねーか。そんなの、」




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