アン フォークナー
04/08 Sat
--- アンと会ったのは結構前 俺は働ける歳になったら可能な限り働いて金を貯めて、家を出たかった。 両親が兄弟が嫌いなわけではないし 家庭環境が悪いわけではない。 ただなんとなく俺としては居心地が良くなかった それだけ 高校生になってすぐ親にバイトしたいって話したら知り合いの知り合いのそのまた知り合いとかいう、芸能人になった瞬間増える家族みたいな素性の知れない人がやってるクラブで働けと紹介された。 クラブって風俗店じゃん...働けんの?って思ってとりあえず行ったら「めっちゃ顔ええな~。自分頭ええ学校行ってるやろ?16やとクラブでは働かせられんけどやってほしいことあるねん」って言われた時は殺しの手伝いとかさせられるかと思ったわ。 2年ぐらいは、翠石さんの御家族に勉強を教えたりクラブ開店前の手伝いとかして働いてた。そんなだったけどまあまあいい給料をもらえてた。 大学も余裕で合格し、ここで貯めていた資金をやりくりして18からは一人暮らしを始めた。 仕事も家庭教師からキャバクラのボーイに昇格した これが1番嬉しかった。レオくんと紗月くんには駄々こねられたけど。 そこに来たのがアン。アン フォークナーだ。 おいキャバクラだぞ。男がキャバ嬢で働く気かよ。 ってのが顔に出てたみたいで翠石さんに「でもめっちゃかわええからええやんな!す~ぐナンバーワンになるやろ!」って背中をバンバン叩かれた。 強気勝気 僕の好きなようにやるもんね~ みたいに振舞ってるくせに最初の頃、害悪客にぐちゃぐちゃ言われてバックヤードでべそかいてたのを知ってる。その害悪は俺が追い出したけど。 実は大学も一緒で初めて校内で会ったときは向こうが1番びっくりしてた。
すったもんだ色々あって俺とアンは今付き合っている。俺は別にいまいち「好き!」ってわけではないけどただスタイルと顔が良くて俺の隣にいて映えるなって思ったから付き合ってるだけ。 だけどアンが俺の隣にいるって距離感は居心地がいい 「こ~~れ!夏準が載ってる雑誌なんだけどさ~この色ヤバくない?!夏準にこの色やばいよ~www」 ずっと俺の隣でファッション雑誌に載ってる友達の愚痴を言ってる。正直俺もその色はナイと思う。 てかずっと口みてたらちゅーしたくなって、した。校内とか周り人いるとか、あんま見てなかったけどザワついた。なんだ、割と周りって俺たちのこと見てるんだ。きもいね。 「ん~!んっうちょっっとぉ!」 「っぁっった!?殴った...?」 「なにすんのさ!場所考えな!!」 ヒィ~~って雑誌で顔を扇いで顔が髪色みたいのなってる。てか殴るなよ。もっと可愛く拒否しろ。いや拒否すんな俺たち付き合ってるだろ。 「...アン、さ。なんか口まずいんだけど」 「ハァ?!??何言ってんの!アンタが勝手にキスしたくせに」 「違う違う。口紅クソまずいよ」 今日はオレンジのやつ。オレンジ色だからオレンジ味だと思ったらなんかクソまずかった。残念だ。 「口紅クソまずいとか初めて言われたんだけど...でもこれ新作の今色だから今期これでいくつもりなんだけど」 何言ってるかわかんねーけど、とにかくオレンジ色の時はアンにちゅーしないでおこう。 なんかずっとほっぺたふくらませてるアンはちょっと可愛かった。...あぶねー好きになるとこだった
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