夏に向かう電車

大学に向かう電車に揺られる。太陽はジリジリと焼くような力強さになってきて、見掛ける人達は薄着に変わった。学生やサラリーマンは思わず目を細めてしまう真っ白なシャツだ。

カタンカタン、と規則的に響く音。昨日の夜更かしが祟ってか眠気に襲われる。ちゃんとレポートは入れたっけ。朝ファイルに入ってるのは確認したし、そのままケースにも入れた。大丈夫、忘れてはいない。


(…眠い)


大学まではあと何駅かある。軽くなら、眠っても大丈夫そうだ。


「だから言っただろうがこのスカタン!今回に限った話じゃないが、終わらせていないお前に非があるぞ、JOJO」
「へーへー。そう言ったってよォ、眠気には勝てねぇって。まあ何だかんだ言って?今朝はきっちり起こしてくれちゃったりなんかしたわけよねぇ、シーザーちゃん」
「リサリサ先生に言われたからだ。卒業まできっちりとやってやるから覚悟しておけよ?」
「…ちったあ自由にやらせてくれ」


半分意識が飛んでいる中に響く声。隣に座っているのは男の人で、友達と一緒のようだ。ぼやけた目が捉えたのは日差しによってキラキラ輝く金色の髪。白いシャツと同じように眩しいそれに、私はついに目を開けていることが出来なくなる。あと、眠気。限界だ。


「人に懇願することか?JOJO、お前は大概自由に――…と、」
「何々?あらま、寝ちゃったのその子」
「らしいな。…ん?この子」
「知り合い?」
「知ってはいるが…知り合いとまではいかんな」


じんわりと、頬が熱い。



20131018

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