調査

私の中で、彼は変人の枠にいる。水鉄砲を常備していたり常にテンションが高かったり、話が通じなさそうというか、すごく不思議な人だ。


「ハルくん」
「おっはよ〜なまえ!」
「おはよう。あのさ、昨日…なんだけど」
「昨日?昨日がどうかした?なまえ」
「えの、しま、どーん」
「…ああ!えの!しま!どーん!なまえも釣り、するの?」
「あ、いや、そうじゃなくて。何で――…釣り?江ノ島丼と釣りって?」
「えの!しま!どーん!バケツに入ったら合格って、王子が!だからユキと頑張ってた!」
「おう、じ…?」


やっぱりテンション高い、ハルくん。このテンションにたじろぐ上に意味のわからない単語が次々と飛び出すから、軽く頭が混乱してきた。

ハルくん、釣りするんだ。ユキって確か真田くんだよね。…釣りをする絵が浮かばない二人だな。王子は、先生のあだ名だろうか。


「うん!王子!」
「…そのあと山田くんと合流したの?」
「やまだ?」
「ほら、転校生の。アキラ・アガルカール・山田くん。山田くんがじっと見てたから、待ち合わせしてたのかなって」
「み、てた?」
「うん。別に友達じゃないんだ…あ、釣りに興味あるとか?」
「……!」


普段からキラキラ輝いて忙しない紫の目がより丸く大きくなり、怯えているようにも見える。

もしかして苦手なんだろうか、山田くんのこと。



20120507

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