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「それって、断っちゃったってこと?」
「断ってはないけど、保留、というか…」
「ええっ、どうして?だってなまえ、シーザーのこと好きじゃない」
「すっ、好きは好きだけど!ならスージーQはどうなの?ジョセフさんに誘われたら素直にうんって言える?」
「どうしてそこでJOJOが出てくるのよ」
「どうしてって…」


ジョセフさんに手伝ってもらった時のスージーQ、何時も以上に楽しそうだし。あと、さりげなくジョセフさんのおかずの量が多かったりするから。まあ、毎回あれだけ「腹減った!」なんて騒がれたら必然、でもあるけど。


「そうやって話を逸らそうとしたって無駄なんだから。私、知ってるのよ?今の髪だってシーザーにしてもらったんでしょう?」
「えっ!?」
「やだ、本当に?」
「……!もうっ!スージーQ!!」
「だってェ!何時もと結び方が違うのは明らかじゃないの〜!そっかァ、だからご機嫌だったのね?なまえは女の子だわ」
「だったらスージーQだって!……えっと、ほら…」
「ふふっ。…それで、ねえ?断っちゃうの?シーザーのお誘い」


その言葉に思わず視線を鍋に戻す。髪を整えてもらったあの時、「それなら買い出しを手伝わせてほしいな」と弾んだシーザーの声にろくな返事もせずにお礼だけ言って立ち去った。こう断言できるのもあれだけど、日常的なそのやり取りをシーザーが気に病んでいるはずもなく。

男手は必要でしょう、ということで、リサリサ様には買い出しの際に声を掛ける許可はいただいている。シーザーは言われるまでもなく、ジョセフさんは少し面倒そうに言葉を返していたっけ。だから買い出しにシーザーを連れていくことを咎められも、しないんだけど。


「……行ったら絶対、買ってくれるでしょう?」
「シーザーはそういう人よ?」
「わかってるから嫌というか…」
「でも、嬉しい」
「…うん」
「そんなものだと思うわ。…あら、そろそろ食事の時間よ。あ、私ね」
「何?」
「次になまえがシーザーに会ったとき、絶対に手伝ってって言うと思う」
「………」


結局、答えは最初から決まっている、と。



20131212

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