quattro

「………」
「何だその顔は」
「イイエー」
「嘘吐け」


ジョセフさんがぐったりとしている原因は修行だけではない。「うわっ」と言いたげな表情は、私とシーザーを見て作られたものだ。


「えっと。ジョセフさん、水でも飲みます?」
「飲む飲む!いや、喉渇いちまってさァ!んじゃマスク外さねえと…そうだ、ついでに昼飯にしよう!休めるうちに休んどかねえとな〜」
「あれしきで音を上げるとは。情けなすぎて涙も出ん」
「適度な休息はいっちばん大事よ?シーザーだって息乱れてたしな」
「もう整った」
「シニョリーナの花のような顔を見たからだよってか」


意地の悪い顔、それが適切だろう。向けられたシーザーはちらりと私を見て鼻を鳴らす。私はといえば、ジョセフさんの言葉にじんわりと頬が熱くなるのを感じるばかりで。思わず飛び出した「あのっ、」ですら少し裏返ってしまいますます恥ずかしい。二人の視線が、突き刺さる。


「スージーQがリサリサ様に呼ばれて、それでシーザーが。一人じゃ大変だろうからって助けてくれたんです」
「…スージーQとなまえの二人でもじゃねえの?」
「だからお前は駄目なんだ。女の子を助けるのに文句なんぞは言語道断、見返りを求める必要もなし。ただ一言のありがとう、完璧じゃあないか」
「それってばシーザーの持論じゃん?」
「おれはおれの心のままに動いているんだ。なまえやスージーQのために出来ることをしたい、それだけさ」
「まーご立派ですねー」
「……JOJO」


私はシーザーに助けてもらえて、すごく嬉しいけど。口にする前に、もう心臓が爆発しそうだ。



20131126

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