プライベート

テルミさんとラグナがお互いを知っていたというのも驚きだけど、ジン君とハクメンさんが現在進行形で交流があるというのも驚きだ。ハクメンさんに聞いたらどの程度教えてもらえるだろうか。テルミさんならどこまでも教えてくれそうだけど、果たしてそれが正しい情報かは疑わしいのでやめておくとして。

あ、ヴァルケンハインさんはどうなんだろう。基本的に名前を呼ばないからな、ラグナ(消去法ならウサギんとこのおっさんがそうなるけど)。


「如何なさいましたかな、ミョウジ殿」
「ヴァルケンハインさん。あ、…ただいま」
「これは、私としたことが。お帰りなさいませ、ミョウジ殿」


ウサギさんというのは誰だろうか。私がヴァルケンハインさん関係で知っているのはレイチェル様くらいだけど、聞く限り動物では。あ、いや、テルミさんの言動然りあだ名の可能性もあるわけだ。あるわけというか、あだ名だろうな。ハクメンさんがお面野郎でテルミさんが逆毛野郎だし。


「…ヴァルケンハインさん、ラグナ=ザ=ブラッドエッジって知ってます?」
「ラグナ=ザ=ブラッドエッジ?」
「は、はい。えっと、大学の同級生…なんですけど」


ラグナ。その名を口にした途端、穏やかだったヴァルケンハインさんの顔が恐ろしくなる。ラグナ何したの。今のヴァルケンハインさんなら人(というかラグナ)を殺せそうだ。


「…ラグナ=ザ=ブラッドエッジは、レイチェル様が気にかけていらっしゃる男です。住居やある程度の学費も提供なさって…出世払いで、とおっしゃっておいでなのですが」
「え、そこまで?」
「はい。私には理解が出来ません」
「……私にも出来ません」


ヒモじゃねえかまるで、とラグナが言っていたのはこれか。掛け持ちしているらしいバイトも自分で諸々を賄うためとレイチェル様に返すため、なのだろう。どういう関係なんだ、ここらへん。


「…というかこれ、私が聞いていいことだったんですかね?」
「…………。私としたことが」
「今日のヴァルケンハインさんは、何だか抜けてますね」
「いやはやお恥ずかしい。ミョウジ殿、どうかレイチェル様とあの男には内密に。特にラグナ=ザ=ブラッドエッジは――…」
「ラグナの方ですか?」


私が驚きと疑問の声を上げるとヴァルケンハインさんは面白そうに笑ってみせる。こんな顔もするんだな。それこそハクメンさんや獣兵衛さんの前では、よくするのかもしれない。


「拗ねてしまうかもしれません。男の意地、というやつですよ」
「えー?ラグナが?」


ふと、テルミさんを懸念して持ち掛けられた同居を思い出す。

まさか。

ラグナは結構単純だから、テルミさんの名前を聞いて頭に血が上ったんだよ。それだけだ。



20131107

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