05

「え?」
「あ」


妙だ。
確かに私はなまえ殿を寝室に連れていってベッドに入るのを確認した。それから暫く起きていたけれど、なまえ殿が寝室から出てくることもなかった。さて、ではこうして目が合っている女の子は誰だろうね。私が正常なら、なまえ殿に違いないのだけれど。


「…何をしているのかな?お嬢さん」
「あ、う、えっ…と。さっ、寒かったから!」
「寒くないように、暖房はつけていたはずだよ?」
「…た、タイマーが切れたときに、目が覚めて!」
「でも、ここよりはあたたかいよね?」
「………えっと…」


まだ同じ布団に入ったまま。こんな幼い子に変な気は起こさないけれど、出てもらえないと邪魔だ、それなりに。


「……寂しかったの?なまえ殿」
「…………うん」
「そう」


あまり広くはない寝室だけれど、なまえ殿にはそうではなかったらしい。何時も誰かと眠っているのかな。ああ、甄義姉様とか。そんなことを言っていた気もする。


「まあ、いいから布団から出て。纏わり付かないの」
「まだ眠い」
「私は起きたいから出る」
「やだ!郭嘉も一緒がいい!」
「それこそ嫌だよ。離しなさい、なまえ殿」
「さむ、」
「エアコンつけるから大丈夫。離せ」
「……郭嘉最低」
「それはどうも。ココアはいるかな?なまえ殿」
「…飲む」
「なら離してね」
「父様は何でこんな人好きなの?」


それ、私の台詞。



20121116

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