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「…寝ないの?」
「寝る」
「そう」
「………」
「…聞くだけ聞いてあげようか」
「郭嘉が優しい…」
「珍しいよねえ。もう気分が変わるかもしれないけれど」
「やだ!!」


駄々を捏ねたなまえ殿の手によりカップは洗われ、いよいよ何もすることがなくなってしまった。あとは眠るだけ、明日を迎えるだけ。それになまえ殿はどうも渋っているようで、寝室に引っ込もうとしないのだ。最後くらい。馬岱殿の言葉であり私が発したそれが引っ掛かっているわけでは、ないけれど。


「郭嘉も寝る?」
「そうだね、やるべきこともないから」
「…ふーん」
「ふうん?」
「何でもない!」
「そう」
「……何でもないよ?」
「そういうことにされない方がよかった?」
「そんなことないもんっ」

夏侯覇殿はソファーで寝ていたっけ。ふとそんなことを、思い出す。

「なまえ殿は落ちると思うけど」
「…寝るっ!!」
「はいお休み」
「寝るからねっ!」
「わかってるよ」


私は引き止めないよ。それこそ夏侯覇殿とか曹丕殿なら、わからないけれど。



20130711

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