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響くチャイムに反応したのは俺じゃなくてなまえ殿。こんな時間に尋ねて来るといえば宅配便くらいで、それにしたって若なら事前に連絡をくれるし俺自身も何かを頼んだ覚えがない。そうなると自然と候補に挙がるのは、だ。


「こんばんは、お迎えですか?」
「そうですね。ご迷惑をおかけしました」
「いいえ、そんな」
「郭嘉だ!」
「なまえ殿、典韋殿と許チョ殿に謝っておくんだよ。とても心配していたんだから」

またなまえ殿は「あっ」て顔をする。郭嘉殿から携帯を受け取って、取り敢えず連絡をしておくのかな。

「郭嘉殿は」
「私?心配していたのは、何時もなまえ殿の面倒を見てくれている二人です。人がいいものですから、心労が絶えず大変でしょうね」
「そうなんですか…」


なまえ殿が聞いたら怒るだろうなあ、それ。少ししか話したことはないけど、郭嘉殿は鈍い人ではないはずだ。そんな風に言えばどう思うかなんて誰に言われるでもなく理解している、いやまあ、なまえ殿をちょっとでも知ってる人なら誰でも理解出来る気もするけど。なまえ殿わかりやすいから。子供なんだし、それでいいとは思うけどね。


「そういえば郭嘉殿、晩御飯は食べました?」
「いいえ。それが何か?」
「折角ですから、一緒にどうかなーなんて。作りません?」
「え?…いや、何であなたと?」
「なまえ殿が郭嘉の手料理食べたいって。明日には帰っちゃうんだし、最後くらい」
「えー…」


可愛い笑顔、いいと思うけどなあ。



20130710

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