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最近恒例になっている気がする目を真ん丸にして口を開けたなまえ殿。それに抱いたのは優越感だろうか。どうやら曹操殿が一番最初に連絡をしたのは私、らしいね。


「私も父様と話したかった!」
「我慢しなよ、もう少しで会えるしさ」
「何で郭嘉…」
「相思相愛だから?」
「私と父様も相思相愛!」
「そうだねー」
「私と郭嘉は?」
「何言ってるの?」
「…つまんない」
「なまえ殿とは違うからね、引っ掛からないよ」


私が好かれる理由というのは何だろう。曹操殿は娘の気持ちを承知した上で私に任せたようだけど、私にはまるで覚えがない。なまえ殿に会ったのは今回が初めて、姿を見てもまるで既視感を抱かなかった。なまえ殿だって私が郭嘉であるかを確認したのだから、記憶違いではないはずだ。


「…会ったことある?」
「誰と?」
「なまえ殿と私」
「……ないよ」
「…だよねえ、覚えがないもの」
「郭嘉と話したのは郭嘉の家に来てからだもん。父様は、郭嘉の話いっぱいしてたけど」
「そう。いいよ、納得しておいてあげる」
「…嘘じゃないもん」


まあ隠し事はあるんだろうけど、ね。



20130707

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