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「可愛いお嫁さんですか」
「勘弁してほしいよ。あー、久しぶりに大きな声を出したな…」
「てっきり喜ぶものと思っていました。なまえ殿は社長の愛娘ですからね」
「あのさ、人を曹操殿に関しては見境ないみたいに言わないでくれる?」
「概ね間違ってはいないかと」
「……否定が出来ないな」


荀イク殿は奥様と電話中、必然的に陳羣殿と二人になるわけだけれど、やはり彼には私への優しさが欠けている。まあ陳羣殿はこうだからいいのだけどね。この態度が陳羣殿の個性であり弄ると面白い、ではなく、いいところだもの。


「…社長はお喜びになると思いますが」
「私が息子になること?」
「然り、なまえ殿が郭嘉殿を好いていること然り、です」
「趣味がいいって?」
「私は微塵も思いませんがね」
「酷いなあ、陳羣殿」


幼女趣味の称号は得たくないよ。そんな自己保身以前になまえ殿に対する興味がないし。大丈夫だよ陳羣殿。ご心配いただかなくても、私は道を踏み外さないから。


「…ところで」
「今度は何?」
「飲料だけを昼食とは言わないと思うのですが」
「コーヒー美味しいよ?」
「味の問題ではなく、体調管理への懸念です」
「なら陳羣殿が私の弁当を作ってくれたらいい。ほら、お揃いだ」
「ふざけないでいただきたい!その態度が不快だと何度言えばっ…!」
「あははっ、友人との戯れだよ」
「友人ではありませんっ!!」


そんなに怒らなくてもいいじゃない。怒った方が面白いけどね、うん。



20130629

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