40

「郭嘉!」
「ああ、おはようなまえ殿。朝から騒がしいね」
「郭嘉、お皿洗っちゃったの!?」
「うん、あなたが眠ってしまったから」
「何で起こしてくれなかったの!!」
「え、怒るのそこ」


見たかったテレビに食べたかったもの。例えばそれを逃したなら怒る人は怒るだろうし、なまえ殿の言葉も理解は出来る。だけど今回は皿洗いだ。二度と起こらない行事でもないのに、この子は一体何が気に入らないというのか。それに、私は一声掛けたしね。「ん」でしか返事をしなかったのはどこの誰だか。


「私洗うって言った!郭嘉もいいよって言ったでしょ!」
「はいはいごめんって。家に戻ったら頼めばいいのではない?お嬢様の頼みなら聞いてもらえるよ」
「昨日やりたかったの!郭嘉ご飯作らないもん!昨日しかなかったの!」
「何その限定的な欲求」
「家のじゃ意味ないの!」
「それなら今使っているカップを洗えば解決だ。…というか、何時も自分で洗っていなかった?」
「郭嘉も自分で洗うでしょ!」
「え?嫌味とかそんな意図はないのだけれど」
「そうじゃなくて!!」


どうやら皿洗いに対する執着という単純な問題ではないらしい。蛇口を捻ると「ほら今日も!」と言われる始末。うん、どうにも怒りを増幅させたみたいだね。


「可愛いお嫁さんになるには家事が出来なきゃいけないって!」
「…は?」
「司馬昭が言ってたの!その点元姫は完璧だって!」
「またそこ?」


司馬の方々は私に怨みでもあるのかと思わず疑いたくなるよ。事あるごとに名前を聞きその度に何かしら発生する。教育は大事だよ、司馬懿殿。今度言っておかなくては。


「何、なまえ殿は可愛いお嫁さんになりたいの?」
「うんっ!だから昨日じゃなきゃ駄目だったのに…」
「ふうん。………ん?」
「ん?」
「絶対に嫌だよ。他を当たって」
「何で!」
「嫌だからに決まっているじゃない!夏侯覇殿にしなよ!」
「仲権は仲権だもん!」
「私も私だよ!」


兄が嫌って、そういう意味か!



20130628

×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -