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まったく、何なんだろうねなまえ殿は。私の有意義な週末のための鍾会殿だというのに「嫌だ!いらない!」だ。その物言いもまあ問題だけれど(あの鍾会殿の顔は見物だった)、鍾会殿のことも気に入っていたのではなかったかな。


「どうっ?」
「似合う似合う。だからさっさと決めて帰ろうか」
「見てない!ちゃんと見てよ郭嘉の馬鹿!」


なまえ殿に馬鹿馬鹿と言われるのも慣れたものだ、別に好きではないけれど。口癖だとすれば曹操殿に言っておかないと。流石に馬鹿が口癖の社長令嬢はね。何より、将来もこんなんじゃ曹操殿が恥を掻く。


「なまえ殿」
「可愛い?」
「服を選んでほしいと主張するなら、ちゃんと女性にならないと」
「ちゃんと女だよ?」
「ただの餓鬼じゃない」
「馬鹿!!」
「そうやってすぐ馬鹿馬鹿言うところが女性ではないよ、少なくとも私にとっては」
「ば――…じゃない…」
「よく吸収はするのにね」


今からでも遅くはない、誰かに教育をしてもらうべきではないかな。勉強は勿論諸々、さ。


「………司馬懿殿?」
「司馬懿?」


ああ駄目だ。あの高笑いまで移ったら、堪ったものじゃない。



20130515

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