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「眠いのなら、眠ればいいのではない?」
「……ねむくない」
「ココアは必要ないね」
「………のむ」
「そう。なら淹れないでおくよ」
「…かくか……きいてない…」
「聞いているからこその判断だと――…ああ、わかるわけがないか」


あの郭嘉殿が髪を梳かしている。いや、それ以前になまえの髪を乾かしてる。まあこればっかりは当番制だし、郭嘉殿は自分が当番だからやってるだけ、だよな。今までずっと俺がやってた気もするけど、きっと気のせいだ。郭嘉殿だってやってたはず。うん、はず。


「なまえ、無理すんなって」
「むり、して…ない」
「ここは意地を張るところではないと思うけど」
「…べつに…」
「はいはい」


気持ちいいんだろうか。まあなまえは臍を曲げるだろうけど、眠たそうな子犬っぽいんだよな。意外と丁寧な手つきはあれか、なまえも女という分類だから…は、ないな。郭嘉殿の基準でなまえが女に分けられるとは思えない。


「………」
「…なまえ殿」
「………」
「どう?」
「寝てますね」
「そろそろ乾きそうだし、そのまま運ぶか」
「俺が?」
「そう――…ま、私がやるよ」
「えっ?」
「何かな、その顔」


そりゃあ、普段の郭嘉殿を見てればさ。



20130220

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