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留守にして三週間くらい、だと思う。知らない間にお隣りさんは引っ越したのかな。ご丁寧にこんにちはと挨拶をする二人は兄妹だろうか(兄妹にしてはあんまり似てないけど)。それともお隣りさんの子供、いやまあこれも似てないけどさ、俺自身お隣りさんとはあんまり話したことないし交流も希薄だから家族構成知らないし。

別れた奥さんとの子供で、年に一度の面会とかそんな感じ、だろうか。いや、何度も言うけど二人もお隣りさんも全然似てないんだけどね。


「絵描いてるの!?」
「あ、ああ、うん。今回は少し遠くに行っててね、えーっと…」
「ふうん、だから会わなかったんだ!」
「そうだねえ。んと、お嬢さんは最近お隣りに来たの?」
「うん!」

溌剌とした女の子に問い掛けながら視線を男の子へ。若く見積もって高校生、精々大学一、二年生くらいに見える男の子。俺よりは年下かな。随分と歳の離れた二人だなあ。

「あ、俺、夏侯覇です。郭嘉殿とは知り合いで――…まあ叔父さんに頼まれてちょっと、お世話になってます」
「あれ?てことはお隣りさん、引っ越してないの?」
「今は仕事でいないだけですよ」
「…その子は…」
「この子もちょっとの間お世話に…俺がいる間は迎え頼まれちゃって」
「曹なまえです!」
「曹なまえ殿か、よろしくね。俺は馬岱だよ」
「馬岱ね!覚えた!」


つまり、曹なまえ殿と夏侯覇殿は知り合い、そんでもってお隣りの郭嘉殿も共通の知り合いってことで、いいのかな。


「それじゃあ賑やかになるね、ここあんまり小さい子いないからさ」
「馬岱、遊びに行ってもいい?絵見たい!」
「俺は構わないけど郭嘉殿に許可は…」
「お隣り行ってるってメールしとく!」
「でも心配するんじゃないかな?仲いいわけじゃないし、相談してからの方がいいと思うけど」
「俺から言っときます。…多分、そのまま泊まってきなとか言うんじゃないかと…」
「え?何それ?」


郭嘉殿って、どんな人なのさ。



20121117

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